葵四葉のページ
お金,払っていただきま す した!
Since Sep. 22, 2002
「自由を祝福することは易しい.それにくらべて自由を擁護することは困難である.
しかし自由を擁護することに比べて,自由を市民が日々行使することはさらに困難である」
このページは,某インターネット自動車通販会社(東京・品川)との間に起きたトラブルについて,
少額訴訟体験を中心につづっていく予定でした...
が,起訴直前に一応の解決となったので,
直前までの準備についての体験談とさせていただきます.
なお,解決していますので,このページは9/29以降更新を行っていません.(1/3にさらにちょっとだけ追記しました)
Contents
- 第一章 こんなはずぢゃなかったのに (契約とその後のトラブルについて.9/23公開)
- 第二章 私を本気で怒らせたな (少額訴訟へ向けての調査.10/30ちょっとだけ追記)
第三章 簡易裁判所へ行って来ました 起訴しなくてすみました.
- あとがき (9/29公開)
リンク集
参考にしたところ
- 自動車の通信販売ってどうよ? 2chのスレ@通販、おかいもの板
- ○○○○ってやばいのかな 2chのスレ@ネットサービス板
- Min. In A Trash Box 少額訴訟の体験談が書いてあります
- 喫茶 保恵夢 少額訴訟と強制執行についても書かれています
- 最高裁判所 (少額訴訟の)訴状の書き方,各地の裁判所へのリンクがあります
そのほかの関連リンク
- インターネット自動車通信販売・査定買取契約者の広場 相手会社の現在のトラブル関係をまとめられているところ
- 少額訴訟制度ホームページ 少額訴訟一般についての解説
- 日本司法書士会連合会 無料相談会へ行って来ました
- 国民生活センター ここにも電話しました.最近特に目立つそうで
- 日経会社プロフィール 各社の基本情報を有料で引き出すことができます
- 帝国データバンク 各社の基本情報を有料で引き出すことができます.倒産速報は毎日チェック
- 郵便ホームページ 内容証明郵便の出し方
- 東京法務局 ここで登記簿謄本を取ります
- 大夜逃げ学 精神的にお世話になりました
- 伯爵夫人の昼食会 アイコンを使用してます
- Webデザイン素材 any way 背景画像を使用しています
Special Thanks to...
- xxxxx-go.to お察しください
- 「出張査定専門」 お世話(*)になったのはこっちの方です
(*)もちろん,これは「おうおう,うちの若いモンがずいぶんと世話ンなったようだなぁ?」とちょっと怖い人が言うときの「世話」です :-P
第一章 こんなはずぢゃなかったのに
いろいろと訳あって車を売却することになりました.買ったディーラーに持っていっても良かったのですが,下取りと違ってそれほど高く買ってくれない,
という噂(本当のところはどうかわかりません)を聞き,買い取り専門店を探し始めました.とりあえず相場みたいなものを知っておきたい,
と思ったのでAll About Japanや,ISIZEあたりを眺めて,
ネット上で無料査定をしてくれるところを探したところ,これからお話しする某社を見つけたわけです.
ごくごく軽い気持ちで査定フォームに書き込みをしたところ,書き込んだその日に家に電話が掛かってきました.Mヤ氏からでした.
- M 「査定フォームにてお申し込みいただいた葵様ですか」
- 葵 「はい」
- M 「お車なのですが,やはり一度査定士のものがお伺いして,現物を見せていただかないことにはお値段を申し上げることができないのですが」
- 葵 「う〜ん,確かにそうですね.でもだいたいの相場とかわかりませんか」
- M 「やっぱり現物を見てみないことには...土日でも伺いますので」
- 葵 「査定士の方がやってくるんですか」
- M 「ええ,私どもは出張査定専門です」
- 葵 「来ていただいて,値段的に折り合わない場合はお断りしても良いんですか」
- M 「それはまったく構いません」
ということだったので,まあ一回見てもらって良い値段だったらその場で売っちまおうと,査定士に来てもらう約束をしました.
約束をした6月15日,査定士のT田氏がやってきました.胸には顔写真入りの査定士章をぶら下げてましたので,間違いはなさそうです.
早速駐車場に停めてあった愛車(ユーノスロードスター)をみせました.
- T 「ふんふん」(車を見回す)「この車は事故にあったりしてますか」
- 葵 (タイヤのあたりをさして)「一度ここをへこませてしまったことが...」
- T 「そうですか.実はこのドア修理されてますね」(と,自分が言ったところと違うところを指さす)
- 葵 「え?」(驚き)
- T 「ほら,ここに塗装のマスキング跡が残ってます.これは後から塗り直しをしないと出ないものです」
なんと衝撃の事実! (って買うときちゃんと聞いてない自分が悪いのですが)
他にもフェンダーの修理跡(ここも塗装がダマになっているところがあった)を指摘されて,がびーんと思っている間に査定は終わりました.
そのあと,査定表を本社にFAXで送り,査定額を出してもらうことになりました.査定額を待っている間,
日本自動車査定協会発行の査定額表をみせてもらったり(それによると私の車は10万円程度だった)
T田氏に「なんで査定士になったのか」なんて話を聞きたりしてました.ちなみにT田氏は私と同い年でした.
かなり時間が経って(途中二三回ほどT田氏は席を外して本社と電話をしていました)査定額が出てきました.
先に査定額表をみせてもらっていたのであまり期待はしていませんでしたが,査定額は予想以上の18万円でした.
こりゃ良い値段だと思った私はその場で契約することを決意,印鑑を用意して契約書を書き始めました.
契約書にあった「支払いについて」は次のようになっていました.
全必要書類到着後7日〜10日間後上記指定口座へお振り込み
ここで言う,全必要書類,とは
- 車検証
- 自賠責保険証
- 自動車税納税証明書
- 印鑑証明
- 委任状
- 譲渡証明書
- 自動車税還付申込書
でした.車検証,自賠責保険証,納税証明書はその場で渡し,印鑑証明以下は後日郵送する事になりました.こうして和やかに査定と契約が終わり,
T田氏はロードスターに乗って品川の本社に帰っていきました.(T田氏はその後も何件か査定の予定が入っているとのことでした,ご苦労なことだ.)
ちなみにメールでも回答がありました(といってもM氏と査定の約束を取り付けてからだったのですが).しかもこのメールは契約が終わった後,
同じT田氏からもう一回送られてきて「おいおい,あなたと直接契約したぢゃない」と心の中でつっこみをいれたりしてました.
ちょうどサッカーワールドカップ日本-トルコ戦があった日,役所に印鑑登録証明を取りに行き,
相手会社から送られてきた「委任状」等の書類と併せて返送しました.これで六月末にはお金が振り込まれるはずです.
六月がすぎて七月になり,七夕がやってきました.契約書に書かれた内容を見ると,
もうそろそろ振り込まれてもおかしくないはずです.しかし,銀行に行ってもお金が振り込まれていない.
そもそも振り込み日の連絡が無いというのもちょっとおかしいなぁ,と思い,本社に電話してみました.
- 葵 「あの,6/15にそちらにユーノスロードスターを売却した葵と申しますが,まだ代金が入金されていなくて,
状況がどうなっているか確認していただきたいのですが」
- 受 「少々お待ちください...申し訳ございません,ただいま担当者が別の電話に出ておりまして,折り返し掛けさせていただきますので,
連絡先を教えていただけるでしょうか」
- 葵 「契約書に書かれている番号でお願いします」
と言って電話を切って待つものの,いつまで経っても掛かってこない.仕方ないのでまた電話しました.
- 葵 「あの,6/15にそちらにユーノスロードスターを売却した葵と申しますが,先ほど電話したんですが」
- 受 「少々お待ちください...申し訳ございません,ただいま担当者が別の電話に出ておりまして,折り返し掛けさせていただきますので,
連絡先を教えていただけるでしょうか」
- 葵 「000-000-0000です」
と今度は連絡先電話番号を教えて,電話を切ったところ,さらに一時間ほどたった後にMヤ氏から電話がありました.
- M 「お電話いただいたそうで,どういったことでしょうか」
- 葵 「6/15にユーノスロードスターの売却をしたのですが,まだお金が振り込まれていなくて,どういう状況になっているかと思いまして」
- M 「入金日のご案内はまだしておりませんでしたか.申し訳ございません,調査いたしますので,また明日電話させていただいてよろしいですか」
- 葵 「わかりました,よろしくお願いします」
と,この時点ではなんの疑いもなく翌日の電話を待ってました.翌日,
- M 「Mヤです.葵様のお車ですが,車両検査に時間がかかりまして,7/26に入金すると言うことでご案内させていただきます」
ん? なんだかずいぶんかかったんだな.まあいいや,7/26ね,楽しみにしておこう.と,このときも特に疑いを持たず,7/26まで待ちました.
しかし,入金されておらず.また電話をする羽目になります.
- 葵 「あの,6/15にそちらにユーノスロードスターを売却した葵と申しますが,7/26に入金と聞いたんですがまだ代金が入金されていなくて」
- 受 「少々お待ちください...申し訳ございません,ただいま担当者が別の電話に出ておりまして,折り返し掛けさせていただきますので,
連絡先を教えていただけるでしょうか」
一時間後,
- 葵 「あの,6/15にそちらにユーノスロードスターを売却した葵と申しますが,7/26に入金と聞いたんですがまだ代金が入金されていなくて.」
- 受 「少々お待ちください...」
- M 「お待たせしました.どういったご用件でしょう?」
- 葵 「あの,6/15にそちらにユーノスロードスターを売却した件ですが,7/26に入金と聞いたんですがまだ代金が入金されていなくて」
- M 「そうですか,おかしいですね,こちらで金融機関も含めて調査いたしますので,申し訳ありませんが明日の午後一時以降に連絡させていただいてよろしいですか?」
このあたりからだんだん疑問を持ち始めます.翌日,Mヤ氏からはPHSの留守電に,8/13から16の間に入金する,という連絡が入っていました.
留守電だったので何故入金されていないかの理由は聞けずじまいです.そして...ここからはご想像の通り,次に電話したときは9/3と言われ,
その次に電話したときは9/13と言われ,そして今に至る,というわけです.
今までのやりとりで,向こうの傾向をまとめてみると
- 入金日の連絡がない(←実は,これには裏があった?)
- 電話をすると受付の人が出るが,そのあとMヤ氏にまともに取り次がれることは滅多になく
(理由は,「他の電話に出ている」,「来客中」というのがほとんど),折り返し電話をするので連絡先を教えて欲しいと言われる
#一回だけ,Mヤ氏がいきなり電話を取ったことがありました.そのときは「ただいま出先から帰ってきたところでして」という言い訳だった
- でも連絡先を教えたところで電話はこない
- 入金がされていないことを言うと「確認するので翌日の午後一時以降にまた連絡する」といわれる
- 入金がされていない理由は「社内手続きのミス」とのこと.経理担当者を出せ,といっても取り合わない
- 入金がされていないとまた一からやり直しらしく手続きに二週間かかる
(一回,「責任者に代わってください」といったら「私が責任者です」
「だったらあなたの決済で手続き早めることができるでしょう?」
「いや,この稟議の決済は複数名のもので確認を行うことになっていて」と訳のわからないことをいわれた)
- 経理担当者の入力ミスについては毎回謝ってくるが,謝るだけならタダだからね〜
- 当然ですが現金では絶対に払ってくれません.「そちらに伺いますよ?」といったら「何も出ませんから」と開き直られた
- 一回,入金日を電話の口頭ではなく,FAXで送って欲しいといったら「FAXは送れないんです」(なんだそれ).郵送ならできるというので頼んだけど言うまでもなく.
と,いうわけで法的手段に出ることを考え始めます.第二章に続く.
第二章 私を本気で怒らせたな
8月も半ばをすぎたあたりから,少しずつこの会社に疑問を持ちはじめていた私は,他にこういう事例がないかを調べ始めました,
そこで見つけたのが「2ちゃんねる」の二つのスレッド(リンク集を参照ください)でした.こうしてみるとずいぶんと似たような方がいらっしゃいます.
私は少額訴訟で収まる範囲の金額ですが,なかには少額訴訟どころか簡易裁判所を通り越して地方裁判所に提訴しなければならないような方も...
ここで手をこまねいていても,いつ振り込まれるやらわからないので,できるところからやってみることにしました.
消費生活総合センターに相談する
消費生活だけに,自分がものを「売った」場合のトラブルも聞いてくれるんだろうか? と少し不安でしたが,ノープロブレムでした.
電話だと混んでてつながらないこともあるよなーと思いつつ東京都消費生活総合センターのホームページをみると,
期間限定で「相談フォームによる受付」というのがありました.なんとフォームに書いて待ってると相談員の方がわざわざ電話をかけて話を聞いてくれるというのです.
こりゃラッキーと思い早速書き込みました.でも,このご時世ですから相談者も多かろう,書き込んだことも忘れた頃に電話が掛かってくるとか,
下手したらさっくり無視されるかもしれない,なんて思ってましたが以外に早く,書き込んだ翌日に電話が掛かってきました.
- セ 「この申し込みのメールに書いてあった事について詳しくお聞かせ願えますか」
- 葵 「○と6/15に売却の契約を結んだんですけど,まだ代金が振り込まれて無くて,電話はしてるんですが」
- セ 「あそこですか.最近目立つんですよね.で,こちらとしても困ってまして」
- 葵 「はぁ」
- セ 「電話してみてるんですが,いつも『コンピュータのセキュリティーが』とか,言い訳をいうんですね.それで,払う意志はある,
みたいなことを言っている限りは詐欺にはならないんですよ」
- 葵 (どこも同じようなものなのか)「何か有効な手段というのは」
- セ 「弁護士の先生から言ってもらうですとか,あとは雑誌に記事が載ってたので知ったので,その雑誌社に掛け合って言ってもらったとか,がありますね.
どちらでここを知ったんですか?」
- 葵 「ええ,インターネットでAll About Japanとかリクルート(ISIZEのこと(**),この相談員の方はあんまりインターネットには明るくなさそうだった),
とかをみてですね.そこで見つけたんですが」
- セ 「そうですか,雑誌なんかですとそこに掛け合ってなんて事ができるんですが,インターネットですとねぇ」
- 葵 「はぁ」
- セ 「やはり弁護士の先生に相談するとかですね.でも費用がかかりますからねぇ」
- 葵 「そうなんですよねぇ」
- セ 「電話とかしつこくされていますか」
- 葵 「ええ,昨日電話して,9/3に入金するといわれました」
- セ 「そうですか,でも口約束ぢゃなくて,FAXを送ってもらうとか,電話ぢゃなくてメールでやりとりするとかですね,
証拠が残るようなかたちでやりとりされた方が良いですね」
- 葵 「なるほど」
と,とりあえず有効な手段はなさそうな感じでした.しまいにゃ「こういう時期にそんな相場よりもずっと良い値段を付けてくるなんて,
怪しいと思いませんでしたか?」となんだか身の上相談受けてるような感じ(実際,そういう電話の方が多いんだろう)になってきたので,
進展があったらまた連絡します,と直通の電話番号とFAX番号を教えてもらって電話を切りました.
(**)All About JapanとISIZEは両方ともリクルートで運営されているものでした.失礼しました.
少額訴訟ってものがあるのか
消費生活センターに相談した結果では,やはり弁護士を通すとかする方が良いらしい,ということで,自分の請求額を考えるとそれはあんまり割に合わない,
「しつこく電話するしかないのか」と思っていたところ,2chの書き込みにこういうものがありました.
30万以下の金銭支払請求なので少額訴訟って手もあります。
少額訴訟? なんだそりゃ.というわけで早速googleで検索です.
するとリンク集にあるような解説ページを見つけました.
確かに,30万円以下の金銭支払いの訴えが起こせると書いてあります.
そこからリンクのあった体験談のページをよみ進めていくと「これならできるかも」と思いはじめました.
ところで,最高裁判所って結構詳しい解説が載ってるんですね(若干難しいですが).
一度目を通しておくと良いかと思います.
さて,少額訴訟については検索結果やリンク集にある解説ページの方が詳しいので,
最高裁判所が発行している(?)リーフレットにある説明を簡単に引用させていただきます
(最高裁判所のページから「裁判手続き 簡易裁判所の事件について」→
「第2 簡易裁判所で取り扱っている民事事件 2 少額訴訟」とたどることができます.簡易裁判所って何してるんだろ,と思ってましたが,
少額訴訟みたいなものを扱ってるんですね).
- 30万円以下の金銭支払い要求に限る
- 審理は原則1回,直ちに判決言い渡し
- 証拠書類や証人は,審理の日に調べられるものに限る
- 分割払いや支払い猶予の判決もできる
- 少額訴訟に対する不服は異議申し立てに限る
と,いうわけで,裁判を起こすための準備に入ります.
証拠集め
裁判を起こして勝訴するためには証拠を集めなければなりません.でも証拠といっても手元にあるのは契約書くらいで...落ち着け自分.
必要な証拠としてはおそらく,
- 契約を結んでいること
- 向こうが契約を履行していない(お金を払っていない)こと
- 「ちゃんと払ってくれ」と要求していること
を証明できるものだろうと思います.それぞれの証拠としては.
- 契約を結んでいること→契約書
- お金を払っていないこと→これは振り込み口座の預金通帳で良いかしら?
があるわけですが,三つ目の「ちゃんと払ってくれ」がない.今まで電話してましたが,それだと証拠が残ってませんものね.
(横で私の電話でのやりとりを聞いていた人を証人にする,という技はあるかもしれない).消費生活センターの相談員さんが
「メールでやりとりをした方が」といっているのはログが証拠として使えるかもしれないから,ということなのかも.
というわけで,「催告書」というものを書いて内容証明,配達証明付き郵便で送ることにしました.
催告書の書き方はその手の本やその手のサイト,
内容証明郵便の出し方についてはゆうびんホームページに詳しく載っています.
基本的に紙一枚で(二枚目以降になったら料金が変わる),一枚に書いて良い字数が決まってる,ということです.
ここで,少し脇道にそれますが,催告書をだす前に私は一度司法書士の方に文面を見ていただきました.これはどっかの司法書士事務所に行った,
というのではなく東京司法書士会で開催している無料相談会へ行って来たのです.
法律相談といいますとやっぱり弁護士会連合会を思い出しますが,司法書士会でもやってるんですね.
しかもこっちの方が(失礼ながら)若干空いてそうな気がします.
東京司法書士会でやっている無料相談会は毎週水曜日と土曜日の午後1時からです.土曜日は会社が休みですので行って来ました.
司法書士会館は四谷にありますがなかなか立派な建物です.建物の奥の方に受付があって,1時前ですがすでに始まっているようでした.
受付ではアンケートのような申込用紙があり,自分の名前,連絡先,相談内容を書き込む欄があります.私は相談内容に「中古車を売却したのですが,
代金を払ってもらえません.少額訴訟を考えています」と書きました.ちなみに受付番号は8番でした.申込用紙を受け付け箱にいれてしばらく待ってると,
「申し込み番号8番の葵さん」と女性の方に呼ばれました.この方は相談の補佐をされているようで,なかなかかわいらしい方でした.
席に案内されると,司法書士の先生(おじさん)が座ってました.私を呼んでくださったお姉さんも座りました.
- 司 「中古車を売ってそのお金が入ってこないと」
- 葵 「ええ,6/15に契約したんですけどまだでして.電話してるんですけど(以下,今までの経緯を説明)」
- 司 「ありゃ,そりゃもう常習だね.おおかた資金繰りが詰まってるんでしょう.少額訴訟はね,簡単にできますから,簡易裁判所に用紙とかありますからね」
(と,訴状の用紙をみせてくれる)本人訴訟でできますから,やったらいいですよ.えーと,お金(手数料とか切手代のこと)はいくらくらいだっけ?」
とまああっさりしてました.ちなみに手数料は20万円以内だと2000円,切手代は6000円(切手代は実はもう少し安いと思うんですけどね)くらいといってました.
- 司 「まずは内容証明郵便送った方が良いですね.文房具屋さんにそういう用紙がありますからね」
- 葵 「じつは,ワープロでつくってきたんです」(と,あらかじめつくっておいた催告書をみせる)
- 司 「もうあるんですか,でしたらこれを用紙に写して出せばいいと思いますよ」
- 葵 「内容とかどうですか」
- 司 「問題ないと思いますよ.そうね,着いてから一週間以内に払えとか,これくらいの金額だと三日以内に払え,でもいいかな.あとどこどこに振り込め,
と書いた方が良いですね」
- 葵 「『遅延損害金』の事も書いた方が良いですか」
- 司 「それはどっちでも良いですよ,どっちにしろ訴状にはそういうの書く欄がありますから.それに年六分でしょ」
- 葵 「そうですね.で,こういう場合って仮に勝訴したとしても,払ってくれないことがあるぢゃないですか」
- 司 「強制執行ですね.それはまた大変だから,そのときにいらっしゃい.まずは内容証明出して,手順を踏んでからですな」
- 葵 「ありがとうございました」
ちなみに,ゆうびんホームページをみるとわかりますが,内容証明郵便の用紙は決まっていません.
ですが,一応アドヴァイスに従って,用紙を買ってきました.東急ハンズに封筒付きのセットが500円で売ってました.買うときは
セットは三通分ありました...が私こういう書類を書くのが苦手でして,二回失敗して,最後の一枚もやっぱり一文字書き違えてしまいました.
インターネットのどっかのページで,「訂正するとその場所にも郵便局長の印鑑が押されるから,威厳を増すためにわざと一部訂正をいれたりすることも」
などと書いてあるのを読んだ記憶があるですが,私の場合は単に誤字なので何となく恥ずかしかったです.
そんなこんなで,催告書を書きました.
加工が下手で,ちょっと汚いです(クリックすると大きくなります).
これを出したのは休日ですが,大きい郵便局(配達業務をやっている郵便局)では「ゆうゆう窓口」というのが開いているので,そこで受け付けてもらいました.
(ちなみに,内容証明は大きい郵便局からしか出せません).内容証明と配達証明,ついでに速達もつけましたので,料金は合計で1490円でした.
もちろん,起訴した場合はこういったお金も請求するつもりです.残念ながら,内容証明郵便は「訴訟の費用」にはならないようです.
最高裁のページをよーく見たらそう書いてありました.
配達証明ははがきで送られてきます.(速達使ってるし)火曜日に届いてるはずですが,水曜日になってもはがきが郵便受けに入ってません.
「まさか,受けとらなかったんぢゃ」と少し不安でしたが,郵便追跡システムをみると,
ちゃんと火曜日に届いていたようです.はがきは木曜日に着きました.これも大事な証拠(催告を認識した証拠)になります.
それ以外には
上に挙げた以外に,証拠となりそうなものとして,
がありました.車を売った代金のなかには今年納税した自動車税の還付分が含まれているのですが,これは自動車税事務所から「相手会社に還付しました」,
という通知でした.これは契約書以外にも,私が相手会社に売却したことの証明にもなります.また,来年持ってもいない車の税金を督促されることも無いようです.
さて,この通知の「消滅年月日」というところを見ると「14年7月19日」となってました.相手会社が最初に言った支払期日は7/26.
つまり,契約書にある支払日は車の譲渡が成立した日から一週間後に設定されていたようです(確認してませんけど).訴状を書くとき,
遅延延滞金を請求する欄があるのですが,私はこれを「7月26日から」と書こうと思ってました(その前に裁判所に相談しようとは思ってましたが).
ところで,訴訟を起こす場合,上に挙げた証拠以外に,相手会社の登記証明書が必要となります.これは会社の住民票のようなもので,
訴訟相手の正確な住所を確認するために必要なもののようです.東京法務局で取ることができます.
私は起訴当日,裁判所に行く前に取りに行く予定でした.
(10/31追記 ちなみに,起訴は相手会社の所在地を担当する簡易裁判所に対して行います.この会社の場合は東京簡易裁判所です.)
また,裁判とは関係ないのですが,最悪の場合(勝訴,もしくは和解しても向こうがお金を払ってくれないとき)を想定して,
企業情報を入手していました.これは帝国データバンクが提供しているものです.見出し150円,内容1100円と,
ちょっとばかりお金がかかりますが,いろいろとこの会社の情報が載っています.(帝国データバンクが提供していますが,
入手は日経gooで行います.)
いざ,霞ヶ関! とおもったら
証拠はそろえた,訴状の書き方の練習もした,当日のルート(法務局→裁判所)も調べた.いよいよ明日起訴だ! と思ったら電話が鳴りました.
- 葵 「はい」
- M 「株式会社○○のMヤと申しますが,葵様はいらっしゃるでしょうか」
- 葵 「私ですが」
- M 「葵様ですか.大変お待たせいたしました.本日金融機関で入金の確認がとれましたので,そちらでもご確認をお願いしたいのですが」
- 葵 (「えっ?」というのを飲み込んで)「そうですか」
- M 「長い間,ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありませんでした」
- 葵 「いえ,こちらこそ」(←今思うと何言ってるんだか)
- M 「もし,そちらの方で入金されていない,ということでしたらお電話をいただけるでしょうか」
- 葵 「入っていたときも電話した方が良いですか」
- M 「いえ,それは結構でございます」
- 葵 「そうですか.わかりました」
- M 「本当にご迷惑をおかけしました,失礼いたします」
なんと入金したというのです.あわてて銀行のATMに行きました.確かに残高が増えてます.まだ信じられないので,早退して一旦家に戻り,
近くの銀行で記帳をしたところ,入ってました.きっちり18万円.ちなみに日付は今日(9/26)でした.
というわけで,解決です.起訴しなくて済みました.終わってみるとなんともあっけない,といいますか...とりあえず今日はお寿司だな
(私のなかでは「祝い事=お寿司」なのでした).
後日談...消費生活総合センターから電話がありました
この章の始めの方で,東京都消費生活総合センターに相談をしたと書きましたが,
その後の進展については,特に報告はしてませんでした.無事入金もすませ,この会社のことも忘れかけていた(←なんて,忘れる事なんてないんですけど)12月のある日,
職場に電話が掛かってきました.「その後の進展はいかがですか?」と,私の対応をしてくださった相談員の方からでした.電話で私は,結果として解決したこと,
インターネットで情報交換をしていたこと,少額訴訟前提で催告書を送ったこと,などを話し,最後にこのページのurl(http://aoiyotsuba.k-server.org)を教えました.
相談員の方は「それは良かったですね」ととても喜んでいました.こういう件で解決ってあんまり無いのかもしれませんね.また,
インターネットで情報交換をしている,という事は以外と知られていないようでした.この件に関しては,インターネット上の情報が非常に有効だと思いますので,
この電話がきっかけで消費生活総合センターに相談した人がここや,ここのリンク先にある各ページで情報収集し,立ち上がれば良いな,と思いました.
あと,相談したらちゃんと経過は報告しいといけませんね.(以上,1/3追記)
二ヶ月という時間と,5000円程度の出費がかかりましたが,何とか回収できました.ほっとしたところで,これまでの感想といいますか,
思ったことをつらつらと書きたいと思います.
もちろん,代金を支払わない相手会社が一番悪いのは揺るがない事実です.でも私自身に落ち度がないか,というとそんなことはないわけで.
結局は「しっかりした会社と取引をすべきだった」ということなのです.私の場合第一章に書いたように,ごく軽い気持ちで契約を結んでしまったわけで,
少なくとも複数の業者から見積もりを取るとか,支払いは現金のところにするとか,やっておくべき事がありました.このまま支払われなければ,
ずいぶんと高い勉強料になってしまうところでした.
消費生活センターに電話しても「有効な手段がない」(正確には,あるけど費用がかかる)と言われてしまい,本気で困っていましたが,
少額訴訟のことを知り,希望の光が見えてきた,というか勇気がわいてきました.
このページの冒頭にあるある社会学者の言葉にあるように,私たちが持っている権利を行使するというのは大変なわけですが,
かといって泣き寝入りをするのは,決して良いことではありません.
実際に裁判になったら,向こうが払うことで和解,もしくは私が勝訴するのはほぼ確実ですが,相手が和解条項・判決に従うかというのは微妙だと思いました.
おそらく「払わない」ではなくて「払えない」状態なのです(会社情報をみるとわかります).そうなると強制執行になりますが,
差し押さえた銀行口座の残高が0,もしくは借金の方が多いとなると,結局お金は入ってきません.もっとも,口座が差し押さえられたら,向こうも倒産です.
自分の手で(しかもたった18万円程度で)会社を倒産させたとなると,お金は入ってこないけどそれも痛快だ,と少し過激なことも考えてました.
(と,いいますか,極端な話「お金は返ってこなくてもこんな楽しい(?)経験させてもらえるなら良いか」とまで思ってました.)
2ちゃんねるを読んでいると,私と同じような人,私の何倍もの金額を払ってもらえない人がいました.今でもいると思います.
どうか,泣き寝入りせず闘ってもらいたいと思います.30万円以下なら私のように少額訴訟ができますし,それ以上になると確かにかかる費用はぐんと上がるわけですが,
ちゃんと訴訟する費用がない人のための救済機構というのも存在します.
各地で弁護士会,司法書士会の無料相談会もあります.とにかく行動を起こすことです.
実を言うと,裁判所にも一回行ってみたかったので,このサイトを立ち上げた後,あっさり入金したらちょっとつまらないというか,
書くことなくなっちゃうなぁと思ってました.書いてみるとそんなことありませんでしたけど.でもあまりにもタイミングが良いですよね...
いや,よけいな詮索はしないでおきましょう.「査定料○円アップキャンペーン」なんてやってないで,ちゃんと精算した方が良いと思うんですけどね.
さて,サイトを開いてわずか一週間でしたが,解決してしまった以上,書くことはなくなりました.ただ,しばらくは閉じないでおこうと思います.
それは,私のような目に遭っているひとの解決へのヒントになること,また新たなるトラブルが起きないようにすること,そして,
相手会社に対する抗議として,です.
この件に関しましては,家庭,職場において,多くの人にご迷惑をかけ,また助けをいただきました.通販・お買い物版@2ちゃんねる
(このスレで78から書き込みました)でも,いろいろな情報を得ることができました.
みなさんに感謝いたします.
(以上.Sep. 29, 2002)
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